“もし上原さんがけのびでここまでとどいたら、俺がなんかしてあげるよ──────”
こんなこと言われて頑張らない馬鹿はいない。
なんとしても、けのびをマスターしてやるっ!!
「上原さん、もう帰らないと家の人心配するよ?」
「それは大丈夫です!コーチに何か予定がない限り練習したいです」
「俺は別に平気だけど…ほんといきなりどうした」
コーチは15分も前から一歩も動いていないその場所で、私を待ち構えてくれている。
「私はけのびを成功させて、コーチにお願いを聞いてもらうんです」
「ああ。それ、あれだよ?家電製品プレゼントしてとか、13級合格させてとか無理だからね?」

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