SWIMMING*SCHOOL


私も見回した。

赤い板は容易に見つけることができた。

それは私たちがいる1コースの反対側の壁に積み上げてある。


はっきり言っても言わなくても、まあまあ遠い。


あーコーチ可哀想ー…


赤い板から視線をはずし、梶原コーチを見る。


梶原コーチはまだ赤い板を凝視していた。

めんどくせーとか思っているのだろうか。


オレンジのライトとホワイトのライトに照らされた空間は、可愛らしいピンク色に見えた。

その若干薄暗い空間にいる、キラキラ輝くイケメンをぼんやり眺める。


「!?」


突然梶原コーチが私のほうに向き直ったかと思えば、両腕を広げ、まるで待っているかのような目で私を見据える。