突然、がしっとつかまれた脇の下。
力ずくで引っ張り上げられ、
今まで私が苦しんでいた水圧が一気になくなり、
気づけば耳はコポコポ以外の音をひろい、
むせて咳き込むこともできていた。
「大丈夫!?」
はっきり且つ冷静な声が聞こえる。
かっこいい……
美男の真剣な眼差しを至近距離から受け、
私は気管あたりにたまっていた苦しさなど忘れ、
幸せに浸りかけたところで気づく。
「かっ!!」
梶原コーチィィ!!!?!?
至近距離に梶原コーチの二枚目すぎる顔。
私の背中と膝の裏に添えられている梶原コーチのたくましい腕は、紛れもなく私を支えている。

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