SWIMMING*SCHOOL

自転車の男を必然的に睨んでしまった。


自転車のほうも、“確認してからドア開けろよ”顔で私を睨みつけた。


「「あ」」


……自分の弟だった。


「大丈夫?」


コーチは私のほうへ駆け寄ってきて、お互いに無事なことを確認した。



「ん?」


「え?」


今度は弟が自転車置場に自転車を停めてから、今度は“誰?こいつ”顔でコーチを睨みつける。


コーチもそれに気づいたのか、なんで睨まれてるのか考えようとしてる。


何この状況、、、


「あ、私の弟の仁です」


私が慌てて紹介すると、コーチは「おぉ」と小さく声をあげて微笑んだ。


「こんばんは」