SWIMMING*SCHOOL

「…まじか」


何が“まじか”なのかは分からないが、コーチは車をマンションの駐車場に進める。


「ほんと近いな」


徒歩10分で通っているだけあって、車ではものの3分で着いてしまった。


コーチはどこか他人の駐車スペースに車を停める。


「え、ここ停めていいんですか」


「まあ一瞬だしそんなすぐに帰ってこないでしょ。ここの人も」


一瞬。
一瞬かあ。


悲しい気持ちでシートベルトをはずす。


コーチが車から降りたので、私もゆっくりドアを開けた。


……その瞬間。


車のドアに当たりそうなほどスレスレで自転車がシャーっと通った。


「…!!?」


…っぶねえな!って、コーチの前じゃなかったら叫んでた。