SWIMMING*SCHOOL

大袈裟かもしれないけど、

今まで生きてきた時のなかで、今、この一瞬がいちばん幸せな時かもしれない

と感じつつ、梶原コーチの隣を歩く。


「駐車場まで少し距離あるから」


え、全然良い。ずっと隣を歩いていたい。


そんなことを考えたとき、梶原コーチは自分の着ていたコートを私に羽織らせた。


「え、梶原コーチ寒くないですか!?」


「濡れた髪で冷たい風あびてたら風邪ひく」


そう言って、風があまり当たらないように、コートのフード部分を私の頭にかぶせてくれる。


もう一度言います、

今まで生きてきた時のなかで、今、この一瞬がいちばん幸せな時かもしれない。


「コーチも髪濡れてるじゃないですか」