君にもう一度逢いたかった。


その頃、裏方で。

パタパタと走り回る女房たちの中、幼さを残した女が一人。

ぼんやりと空を見ていた。

「───りん、夕鈴!!」

「・・・ぁ、はっ、はい!!」

「どうしたの?ボーっとして・・・」

「ぁ、うん。ちょっと、色々・・・」

「ふぅん、仮にも仕える主の婚約の儀式の時に考え事ねぇ・・・」

「・・・ごめんなさい」

「私に謝らないでよ」

「うん・・・」

遠くを眺めてはため息を吐いた。

そんな夕鈴の様子を見て夕鈴に話しかけた女房は思った。



恋をしているようだ、と───