そして、それが昨日。
私は今日も、架衣のお見舞いに来ていた。


―――だけど。

「架衣くぅん、大丈夫ぅ?」
「私のこと、覚えてるよねぇ?」

架衣が記憶喪失…しかも私だけを忘れてるって知った 架衣のファンの女の子達も一緒。


架衣の病室は、直ぐに女の子達のつけている香水くさくなった。

架衣はガードが固くて 中々近付けなかったから、ここぞとばかりにくっついたり。


架衣は、突き放していいものかと迷ってるみたいで 腕をうろうろさせてる。

…いつもなら、すぐに引き離してくれるのに。


何だが、こんな少しの差が ひどく寂しい。

いつもの架衣じゃないみたい。