赤堀の試合が終わった瞬間、耐えられなくなってその場を離れた。
早足で歩を進めた。
向かう場所なんて無かったけど、頭の中から、さっきの苦しさを捨てたかった。
その時。
ドンッ。
「わ・・・っ。ご、ゴメンなさい!!」
「あ、悪い。
前見てなくて・・・って宮間じゃん」
「あ、大島君」
私がぶつかってしまったのは、大島君だった。
何となく、心が軽くなるのが分かった。
大島君はすごく優しくて、一緒にいるととても安心するんだ。
「何処も怪我してない?」
「うん、大丈夫。
心配してくれてありがとう。
あ・・・それと、私も前見てなくてゴメンね」

