おでこを押さえながら言い返す。
私にでこピンして、ニヤッと意地悪く笑った本人は悠々と歩き始めていた。
「・・・バカ堀」
あいつに聞こえないように、小さく小さく呟いた。
―――。
気付けば試合が始まった。
最初は男子の個人戦。
水色と黒と白の男子のユニフォームを目印に、皆を探す。
・・・あ、西沢君。
試合してる。
大島君は・・・シードだから、まだ試合無さそう・・・。
・・・あれ?
西沢君の隣の隣の台で試合してるのって・・・赤堀?
私は、意外とうるさいギャラリーをゆっくりと進んだ。
赤堀と西沢君が試合をしている近くに向かって。

