「じゃ、練習する?」 すっきりしたような表情で赤堀が尋ねる。 何だか、珍しく無邪気な笑顔が可愛かった。 つられて私も笑みを零した。 「うん」 赤堀は優しく笑うと、1多のドアを開けた。 ・・・いつもそんな顔してれば可愛いのにね。 赤堀はウザイ。 バカにしてくるし、呼び捨てで呼んでくるし。 それは今でも変わらない。 でも、嫌いじゃない。 ウザイと嫌いはイコールじゃない。 そう気付いた、とある大会前。