「・・・そんなこと?」 「え・・・?」 何も言わなかった赤堀が口を開いた。 小さくて掠れた声。 反して、赤堀の瞳は真っ直ぐで鋭くて。 「迷惑かけてるって思ったから・・・?」 小さく頷いた。 その瞬間、赤堀の瞳に宿る不思議な色。 安堵のような、呆れるような、切なそうな。 「出来ないから、練習するんだろ? 出来ないことが悪いわけじゃない。情けなくもない。 でも、出来ないことを諦めるほうが、格好悪いし、情けないんじゃねぇ?」 「けど・・・!」 「けど?」 「迷惑かけたいわけじゃない!」