「・・・どうだろ?
ていうか、『普通に性格悪い赤堀』と『微妙に優しいような優しくないような赤堀』ってどっちが素なの?」
「・・・お前、ナチュラルに毒舌だよな、うん」
赤堀にだけは言われたくないと思った。
「・・・分かんねぇ・・・。
強いて言うなら・・・どっちも・・・?」
「『強いて言って』ないけどね、それ」
一瞬、天を仰ぐ。
「でも、それならいいんじゃない?
優しくても、優しくなくても・・・私はその人の素を好きになりたいから」
「そっか」
赤堀が笑ったのが、気配で分かった。
「さっき・・・ゴメンね」
思わず、口が動いていた。

