「分かんないものは分かんない!」 私がそう言うと、赤堀は呆れたように大袈裟に溜め息をついた。 「・・・ま、いいや。 取り敢えず、俺、サーブ出すから」 言ったとおり、赤堀はサーブを出した。 ・・・これは、フォア側に曲がるから・・・バックに返す・・・。 ていうか、上か下か分かんないって・・・っ!! バック側に返すつもりで、ラケットにボールを当てた。 ボールはそのまま、下に落ちた。 「今、横下」 単語を並べただけの赤堀の言葉。 「次行くよ」