「・・・やられた」


気付かなかった赤堀の呟き。


何一つ、気付いてなかった。


赤堀の顔が赤くなっていたことも。



「・・・あんな風に笑うなんて・・・反則過ぎるだろ・・・」






そのときの私は、赤堀が私を壁に押し付けた理由なんて分かるはずもなくて。



掴み所の無い、赤堀 成という男子を捕らえあぐねていた。



「赤堀成・・・。

やっぱ、変なヤツ」



私の頭に出来たのは


赤堀=変なヤツ(口が悪くて、生意気で、自信過剰で・・・etc,etc)


そんな等式だった。