「赤堀なら、プリントをやるって言うと思って。 もう、準備しておいたんだよ」 「・・・分かってんじゃん」 赤堀と小林先生の挑戦的な瞳が交差する。 「ま、せいぜい頑張って。 赤堀 成君?」 そう言って、小林先生は歩いていった。 赤堀は、プリントの山を見つめていた。 「あぁ~・・・。 もう、20枚とか・・・最悪」 そんな風に、グチを言う赤堀は何か貴重で。 何か、弱気でちょっとだけ、ほんのちょっとだけ可愛くて。 「・・・可愛い」 そう言ってしまった。