今度は、自分の言葉じゃなくて、耳を疑った。 「卯月ー、試合だよー!!」 「あ、うん!」 そう言って、宮間は歩いていった。 腕で視界を遮ったまま。 だから、宮間の表情は見れなかった。 でも、それで良かったと思った。 だって、赤く染まった顔を宮間に見られることも無かったから――。 「やばいだろ・・・」 自分で自分が理解できない。 でも、ひとつだけ確かなこと。 『格好よかった』 宮間のその言葉が、ビックリするほど嬉しかったこと。 それに――。