月曜日、熱が下がった私はいつものように学校に行った。

いつものように、というのは、つまり部活も休まずにという事だから、朝練に出るために6時起きだ。


朝練は嫌いじゃないし、朝から卓球が出来るのは嬉しい。

だけど、朝が弱い私にとっては、ちょっとした関門でもあった。



それにも増して――・・・。



はぁ、と小さく息をついた。

幸せが逃げると分かっていても、吐かずにはいられなかった。



単刀直入にいって、不安です。



あの日、そう、私が倒れた日から、私はまだ赤堀に会っていない。


つまり、麻田さんのことも、赤堀本人からは聞いていない。




ちゃんと、話してくれるのかな。

誤魔化さないで、言ってくれるのかな。



不安が心を締め付けた。


「っ、」


ギュッと拳を握って、ブンブンと首を横に振った。


ダメだ、悪い方にばっかり考えてしまう。



そっと、1多の扉に手をかける。


「強気だ、強気!」

自分にそう呟いたときだった。



「何、朝から意気込んでんの」


心臓がひっくり返るかと思った。



「っ、え、あ・・・、赤堀!?」

少しだけ眠たげな瞳で、私にそう言ったのは、正に今考えていたアイツだった。


「おはよ」


そんな当たり前のあいさつに心が跳ねる。


「っ、おはよ・・・」

顔が赤くなる。


そんな表情を見られたくなくて、俯きながら、必死に声を押し出した。