必死に涙を止めようとした。
そんなに簡単に止まってくれるものでは無いけれど。
ギュッと唇を噛み締める。
荒くなった呼吸を整えようと、無理矢理深呼吸を繰り返した。
そんな私を見て、琉依はそっと口を開いた。
「・・・いいよ、無理しないで。
ちゃんと、待つから」
「っ・・・、」
あぁ、もう、やっぱり、堪えるなんて出来ないよ。
こんなに優しい言葉をかけてくれる友達がいるんだから、
無理に涙を止めるなんて、出来るはず、無かったんだ。
「・・・っ、っく・・・ふ・・・っ」
琉依が、また涙が止まらなくなった私をふわっと抱き締めた。
それが、余りにも温かくて、優しくて。
ただ、涙を落とし続けた。
―――。
しばらくして、琉依は笑いながら、言葉を発した。
「・・・そろそろ、大丈夫かな？」
「ん、ありがと・・・琉依」
「いえいえ」
乾いた涙の痕が少しだけひりひりする。
でも、もう、涙は止まっていた。
琉依は、もう何も言わなかった。
ただ、私の言葉を待っていてくれた。
「・・・琉依さ、２年生の・・・麻田さんって知ってる・・・？」
