嬉しかった。
ここに、今、この場所に。
私が、元気で良かったって言ってくれる友達がいる。
それって、とても、とても、幸せだって思った。
「・・・ありがとね、琉依」
小さな声で呟くと琉依はまた笑った。
でも、すぐに琉依の表情は変わった。
ちょっとだけ、悩んでいるような、そんな顔に。
「琉依・・・?」
「卯月さ、・・・何か、心配なことでも有るの?」
単刀直入な言葉に、何も言い返せなかった。
ただ、全てを、見透かされているような。
気付かれているような。
そんな、感覚。
「・・・勉強?卓球?
それとも・・・」
琉依の瞳は真っ直ぐに、でも、少しだけ不安そうに私を見つめていた。
「赤堀、君?」
それが、限界だった。
ぽろぽろと涙の雫が頬を伝った。
あいつの、赤堀の名前を聞いただけで、もう堪え切れなくて。
「卯月?」
琉依の驚いた声が部屋の中に響く。
不安で、不安で、仕方ないよ。
麻田さんが、どんな子なのかも分からない。
赤堀のこと信じてる。
だけどね、それだけで不安を消せるほど、私は強くなれないんだ。
視界が歪む。
だけど、心配そうな琉依の表情は分かった。
琉依に、大好きな親友に、こんな表情をさせてしまっていることが、
悔しくて、申し訳なくて、
心が痛かった。

