「・・・麻田(あさだ)」
赤堀がそう呼んだ声で、我に返った。
そう、あいつが呼んだのは、きっと、赤堀に告白した子。
動かなくなった足を、必死に動かした。
この場所から、離れたくて。
少しでも、遠くへいきたかった。
どうして。
ねぇ、何で、涙が止まらないよ。
「っ・・・っく・・・」
赤堀がモテることなんて。
「・・・っ・・・!」
分かっていたはずなのに。
誰も通らないであろう、人通りのない廊下。
私はそこにしゃがみ込んだ。
涙はただ、ただ、頬をぽろぽろと零れ落ちていた。
なのに。
それなのに。
「赤、堀・・・」
やっぱり、私の頭に浮かんだのは、君だけでした。

