「・・・ていうわけです」

私は、琉依への話をその言葉で締めた。


大島君と話した次の日。



私は琉依に今まであった出来事やらを、多少略しながら話した。




話し終えた後の琉依の瞳には、驚きと喜びと、色々なものが混ざっている。



「ていうことはさ、赤堀君は卯月の、彼氏、ってこと?」


ちょっとだけにやつきながら、琉依はそう言った。




・・・そう、そこ。

それが正に、今の私の悩みなんですよ。




「・・・どう思う?」


私がそう聞き返すと、琉依は目をパチクリさせた。



「え、だって、両想いじゃん」


うん、まぁ、ね。



それはそうではあるんだけれど。




「・・・『付き合って』とか言われてないよ?」



あ。とでも言いそうな口を、琉依は自分で塞いでいた。


うん、分かりやすい。




「でもさ、卯月から見て赤堀君は、彼氏なの?」


「・・・だといいな、って思ってる」



そっか、と琉依は呟いて口を閉じた。

そして、琉依は後れ毛をそっと耳にかけた。



実は、これは考え事をしているときの琉依の癖。



考えてくれてるんだな、と思って私も只、口を閉じた。