「・・・先輩」
「何?」
小さく息を吸ってから、俺は口を開いた。
決意を、込めて。
「俺、もっと卓球とか勉強とか色々全部頑張ります」
そう言うと先輩は、きょとんとした顔をした。
「・・・いきなりどうしたの?」
当たり前だけど、尋ねる声は不思議そうだった。
「アイツが、赤堀が、追いつけないくらい、上に行く。
だって、負けたままじゃ面白くない」
俺が言い切ると、先輩は吹き出した。
「あはは・・・っ、大島君ってさ、結構負けず嫌いだったんだね」
「悪いっすか」
先輩の笑いは止まる気配を見せない。
笑いすぎて、苦しそうだった。
ちょっとだけムカついた。
何か、子ども扱いされてる気がして。
「ううん・・・っ!何か、可愛いなって思って・・・」
ほら、やっぱり、ガキだと思ってる。
『可愛い』なんて、男にとっては、褒め言葉じゃないんです。
でも、先輩はまだ笑っていて、とてもじゃないけど言い返すことなんて出来なかった。
「大島君」
先輩が不意に俺の名前を呼んだ。
ていうか、何で、俺は『大島君』なわけ。
「・・・大島君?」
だって、アイツは違うじゃん。
「えっと、あの・・・大島君?」
アイツのことは――・・・。
「何でですか?」

