「・・・今は?」
「え・・・?」
先輩が驚いた顔で、俺を見た。
聞かずには、いられなかった。
「・・・今も、そう思ってるんですか。
赤堀しか、『片倉 灯』っていう人間を見てないって。
誰も、分かってくれないって・・・っ」
寂しいじゃん。
そんなの寂しすぎるじゃん。
ねぇ、先輩。
赤堀だけじゃないって、分かってよ。
服装とか、成績とか、そんなの関係ない。
そんなこと関係なく、先輩を必要とする人がいるって。
先輩は小さく首を振った。
「・・・ううん。
だって、こんな私の話を聞いてくれる大島君が、ここにいるんだから」
必要なんだ。
存在してくれるだけでいい。
友達でも、好きな人でも、先輩でも、後輩でも。
どんな立ち位置だったとしても、必要だって言ってくれる人は絶対にいるから。
だからさ、そんな悲しい顔しないでよ。
「・・・俺だって、先輩のこと分かりたい。
ちゃんと『片倉 灯』っていう人を。
だから・・・っ」
『そこにいてください』
言う前に、先輩は俺の言葉を遮った。

