「だからもう、思わず『そろそろ、チャイム鳴っちゃうから、教室戻ろう!!』って言っちゃった。
空気読んでよ、とか、相変わらず真面目だね、みたいな嫌味は・・・言われたんだと思うけど忘れちゃったな、もう。
この子に迷惑かけたくない。
だって、嫌われたくないから。
それだけだった。
でもね、成君の少しだけ驚いた表情は、覚えてるよ」
・・・あぁ、全く、この人は。
本当に赤堀が好きなんだ。
本人は気付いてないかもしれないけどさ、赤堀の名前を出すたびに笑顔になってる。
ふられたって、嫌いになんてならなくて。
いや、むしろ、なれなくて。
気持ちだけ持て余して。
それでも、やっぱり、恋愛とか友達とか、そういうの関係なく、もう、好きでいるしかない。
だって、好きにならずにはいられないんだ。
「『早く行こう!』って、皆のこと急かして。
やっと、歩き始めた皆の後ろについて、私も歩き始めたときだった。
急に腕を引かれたのは。
びっくりして、振り返ったら、当たり前だけどそこにいたのは成君だった。
さっきまで、あんなに不機嫌そうだったのに、小さく笑って私に言ったの。
『先輩、頑張りすぎ』
って――・・・」

