後輩男子に惚れちゃいました。

「・・・噂の子って言うのが、誰なのかは全然知らなかったんだけどね。


もう、噂なんてどうでもよかった。


・・・あの男の子の名前が知りたい。



それだけだった」



もう、言われなくたって分かる。

つまり、そいつが――。



「・・・赤堀 成、ですよね」



俺の言葉に先輩は頷いた。



「あと、結局、その噂の子も成君でした」


そう、無邪気な笑顔で付け足しながら。





「まぁ、そしたらね、私達の会話が聞こえてたのか、それとも偶然なのか分かんないけど、



突然、成君がこっちに歩いてきて、言ったの。



『俺に何か、用ですか』って」






先輩は、思い出したら堪えきれなくなったのか、小さく吹き出した。



あぁ、何か、分かるかも。




「・・・先輩。

その時の赤堀って、物凄く・・・不機嫌だったんじゃないですか」



赤堀の不機嫌な顔が、物凄く想像できて、俺まで笑いがこみ上げてきた。



先輩は苦笑しながら、頷いた。



「不機嫌オーラ全開でね、だけど、生憎こっちは3年じゃん?


もう、怖いもの知らずだから成君の不機嫌オーラなんてお構いなしで・・・」



先輩は、そう言うとまた、小さく吹き出した。