後輩男子に惚れちゃいました。

先輩は、今にも泣き出しそうな目で笑った。



「これ以上・・・自分を嫌いに、なりたく、ないから」



あぁ、もう、この人はどうして。


「笑いたくないのに、笑う必要、ないです」

「っ」


どうして、この人はこんなに不器用なんだ。

いいところ、たくさん、あるのに。


もとがどんな理由でも、赤堀に真実を言える強さがあるのに。


「俺は、嫌いにならないですよ」

「え?」

「・・・片倉先輩がどれだけ、自分自身を嫌っても、俺は、先輩を嫌いになりません。

だって、もう、先輩のいいところ、知ってるから。


嫌いになるには、もう、大分手遅れ」


先輩は目を見開いて、俺を見つめていた。


でも、すっと目を細めると、あまりにも幸せそうに微笑んだんだ。


「・・・ありがとっ」

「っ」

一瞬、心臓がドキンと小さく音を立てた。


でも、それは、俺自身が気付かない程の音だった。



「っ、お礼言われることなんて、してないです。

俺は、俺の本音を言っただけなんで」


うん、それでも。

そう言って、また、先輩は目を細めた。