思わず、身構える。
そこにいたのは・・・。
片倉先輩だったから。
宮間に嫌がらせしてた張本人。
正直、この人がどんな人なのか、俺には掴み切れてない。
でも、柔らかく笑う片倉先輩は、悪い人には見えなかった。
だけど・・・。
「・・・何か、用ですか」
今は、一人でいたい。
周りに誰かいるのが、うっとうしい。
そう思ってる俺の口調は、無意識の内にきつくなった。
でも、予想外に片倉先輩の声は真剣だった。
「・・・謝りに、来ました」
真っ直ぐな先輩の声。
「え・・・?」
「卯月ちゃんに、嫌がらせして、ごめんなさい」
そう言うと、先輩は深く頭を下げた。
年下の俺に向かって。
予想すらしなかった展開に、俺の頭は回らなくなっていた。
それでも。
「・・・別に、俺に謝る必要なんて無いです。
宮間に、謝って下さい」
『宮間』
自分で言ったくせに、その名前に心が痛んだ。

