「大島先輩みたいに器用になんて出来ねぇし。
灯先輩の時だって、結局、守れなかったんだ。
そんな俺が、不安にならないわけねぇだろ!」
え・・・?
赤堀が叫ぶように、言葉を押し出す。
でも。
待ってよ、赤堀。
自分で気付いてる?
今、赤堀自身が何を口走ったのか。
「・・・赤堀、どういうこと?
どうして・・・、灯先輩のこと、知ってるの?」
私はそのことに関して、一言も話してないのに。
赤堀がハッとして目を見開く。
まるで、言ってはいけないことを言ってしまったかのように。
「ねぇ、どうして・・・?」
尋ねる私の声は、自分でも分かるくらいに震えていた。
赤堀はスッと目を逸らした。
嫌だったんだ。
そのことを話したって、怪我が治るわけじゃない。
何かが変わるわけじゃない。
それなのに、無駄に心配させたくなかった。
赤堀の切ない表情を見たくなかった。
あいつはきっと、守れなかったことを後悔してしまう。
あいつのせいじゃないのに。
だから、話さなかったんだ。
いや、話したくなかったんだ。

