あ、もうダメだ。
重症だ。
赤堀は、物凄く苛ついてるというのに。
そんなアイツさえも、格好よく見えちゃう私って、本当重症だとしか言いようがない。
不機嫌な表情のまま、赤堀が振り返る。
「いくよ、宮間」
そして、私の手首を掴むと、そのままずんずん歩き始めた。
「え?」
あぁ、これは、本気で機嫌が悪い。
いつもはそんなこと無いのに、今日は掴まれた手首が痛いから。
行き先も分からないまま、只、引かれるまま歩く。
突然、赤堀が吐き捨てた。
「・・・もう本当、嫌だ。
何で、俺、年下なんだよ。
超ムカつく」
手首の痛みが微かに強くなる。
「焦るに決まってんだろ。
向こうは、ずっと一緒にいられるくせに。
俺は、部活でしか会えねぇんだよ、バカ」
どこまで、赤堀はバカ正直なんだろう。
こいつ物凄い不器用だ。
いっそ、ぶつければいいのに。
怒りを私や大島君に。
そのほうが楽なのに。
なのに、真っ直ぐなこいつが怒りをぶつけるのは、いつだって自分自身なんだ。
本当に、バカ正直だ。

