「ワガママで、生意気で、意地悪で、口が悪くて、自意識過剰で、自信過剰!」
「ふはっ」
大島君が吹き出す。
「あとね、超ウザイ」
一瞬、息を吐いて、続ける。
「でもね・・・、ウザイくらい好きなんだ」
そう、これが一番の気持ち。
嫌なところがいっぱいあっても、赤堀が好きなんだ。
自分の短所を隠さない、バカ正直な赤堀。
世渡り上手に見えて、実は人一倍不器用なあいつ。
全部が好きなんて、そんな言葉軽すぎる。
私の気持ちすら全部分かってないのに、赤堀の全部が好きなんて言えたら只のバカだよ。
だけどね、全部が好きなんてそんな言葉要らないよ。
短所も、長所も知っていて、ダメなとこも分かってて。
それでも、私を好きだって言ってくれれば、それでいいんだ。
「・・・大島君」
「何?」
相変わらずの優しい声が、私の心を包んだ。

