大島君を見つめる。
不安が、心配が、隠せない。
「・・・聞かせてよ」
大島君の静かな声で分かった。
大島君は、それでも聞く覚悟でいるんだって。
「・・・気付いたら、好きになってた」
「っ」
「・・・性格悪くて、生意気で。
いきなりタメ口、しかも呼び捨てで・・・」
フラッシュバックする過去。
そう、赤堀と初めて出会った頃。
懐かしい。
戻れない、あの頃が少しだけ切ない。
「『俺、絶対、宮間のこと倒すからね』
とか、言って来て。
しかも、本当に試合して、私負けちゃったし!!
・・・一時期、本気でウザかったなぁ・・・」
ムカついたはずなのに、笑みが零れる。
何だかんだ言って、今はもう笑えるんだ。
赤堀といた時間は。
「・・・赤堀って、どんなヤツ?」
大島君の言葉に、自信を持っていえることがある。

