「赤堀ー?」
神田君が隣の体育研究室であいつの名前を呼ぶ。
もちろん、赤堀は返事なんてしないけど。
・・・神田君、お願いだから早く何処か行って。
そう願った瞬間、息が出来なくなった。
「・・・っ」
身体が熱くなる。
目の前には赤堀の顔。
その時、ドンガラガッシャーンと物が落ちる、漫画みたいな音が隣の部屋から響いた。
それと、「わぁっ!?」という神田君の声も。
でも、赤堀はそんな音を気にも留めず、またキスをした。
「ぁ・・・、っ」
必死に声を抑えるのに、どうしても零れる声。
「あ~、もう最悪・・・。
片付けなきゃ・・・」
そんな神田君の声とほぼ同時、赤堀は私の耳元に口を寄せた。
「・・・声出したら、聞こえちゃうよ?」
その言葉に背筋がゾクッとした。
身体に甘い痺れが走る。

