今日、何度目かすら分からないキスを赤堀は落とす。 その時、だった。 遠くから、小さな足音が聞こえたのは。 「赤堀・・・っ!」 「何?」 「誰か来るってば!ちょっと離れて・・・!」 私の言葉に、赤堀は首を振った。 「やだ」 「ちょ・・・っ、何言って・・・!!」 精一杯の力で赤堀の身体を押す。 なのに、赤堀はいとも簡単に私の身体を引いた。 「あ・・・っ、赤堀!」 「やだって言ってんじゃん」 ・・・ヤバイ。 こんな状況、誰かに見られたら・・・っ。 ドクン、と心臓が動いた。