角を曲がった先にいたのは、赤堀、だった。
ドキドキと心臓が音を立て始めた。
ヤバイ、緊張して・・・もう、訳分かんない。
「な・・・何で、こんなところにいるの?」
「・・・それ、俺の台詞じゃねぇ?
俺、ボール当番だし」
「あ、そっか・・・」
目を丸くさせながらも、赤堀は冷静に答えを返してきた。
この体育用具室は、もとは1つの教室だった。
だけど、その教室を無理に、ロッカーやら棚やらで2つに分けてある。
手前は【体育研究室3】、奥は【体育用具室】になっているのだ。
さっきも言ったとおり、奥の体育用具室はいわゆる倉庫。
手前の体育研究室3には、いろいろなものが置いてあり、
そこに置いてあるうちの1つが、卓球部で使うボール。
1多は人の出入りが多いから、意外にも、ボールを悪戯で持っていってしまう生徒がいたらしく・・・今は、ボールをこの体育研究室3で管理している。
で、そのボールを交代で1年生が、この部屋から持って行ったり、この部屋に片付けたりするのです。
その当番こそ、通称、ボール当番。

