「灯先輩・・・っ!!」 私がそう呼ぶと、先輩は目を見開いた。 初めて呼んだ、その名前。 先輩との距離が少しだけ縮まった気がしたのは、気のせいかな・・・? 「・・・ありがとね、卯月ちゃん」 先輩の優しい微笑みが、きゅっと私の心を掴んだ。 パタパタと足音を立てながら、先輩は走っていった。 遠ざかる足音。 それでも、心に残されたのは・・・暖かくてホッとするものだった。 でも、だからこそ。 ギュッと拳を握って、上を向いた。 伝えなきゃ、絶対。 赤堀が、好きだって――・・・。