「正面から・・・っ、ぶつかることなんて出来てない・・・!
それに・・・、好きでも・・・。
成君が、好きになってくれなきゃ・・・っ、意味なんて無い!!」
涙声で先輩は叫んだ。
「え・・・」
戸惑いの声を漏らしたのは私だった。
「・・・『好きな人』がいるって言われたの・・・っ。
本当はね・・・、私も分かってたんだよ・・・?
成君を見てたから・・・、成君だけを見てたから・・・っ、言われなくても分かってた。
それでも・・・、それでも、告白、するの・・・っ?」
先輩の震える声が、耳から離れなかった。
しゃがみ込んだ先輩の隣に座る。
慰めることはしない。
多分・・・、慰められたくはないと思う。
きっと先輩は、赤堀に告白したこと、赤堀を好きになったことを・・・後悔してないから。
慰める必要なんて無い。
片倉先輩は、自分の力で立ち上がれる。
「はい」

