いつかと同じ空き教室で、つまらなそうに片倉先輩は壁に背中を預けていた。
「・・・何か、用?」
そう尋ねる瞳も伏目がちだった。
「先輩・・・」
真っ直ぐに先輩を見つめる。
微かに震える唇で、私は言葉を紡いだ。
「私、赤堀が・・・好きです」
先輩の大きな目がこちらを向いた。
「先輩の告白に、赤堀がどう返事したのかは分かりません。
でも、それでも、私は・・・赤堀に告白、します」
伝えなきゃいけないと思った。
自分の手で、この想いを。
そうしないと、自分の気持ちに向き合ってくれた大島君に返事をする資格はないって思ったから。

