赤堀はこっちに背を向けているから、私の表情なんて見えない。
「ホコリついてた」
赤堀の言葉が後ろから、耳に入る。
「あ、本当!?
ありがと、ゴメンね」
あまりにも心臓がバクバクと音を立てすぎて、頭の中がぐるぐるする。
気持ち悪い。
でも、ハッキリしているのは・・・嫌だったってこと。
赤堀が、あの子の髪に触れるのが嫌だった。
やっと、やっと気付いた。
もう、誤魔化せないし、逃げられない。
アイツのことを考えると、苦しい。
それが全てじゃないけど、あいつの行動、言動、表情1つで苦しくなったり、嬉しくなったり。
もう、それが答えだね。
私は――・・・。

