でもね、私、ちょっとだけ勘違いしてた。
幸せそうに相手を想う、琉依や成崎君を見て、恋って甘酸っぱくてきゅんとするものなんだって思ってた。
バカみたいにそう信じてた。
でも、違ったね。
甘いだけじゃない。
恋は、ビターチョコのように苦いんだって分かった。
それは、琉依と話してから、少し経ったある日でした。
いつものように、部活。
赤堀や大島君が視界に入ると、少しだけ心臓が跳ねる。
でも、大島君はいつも通りに接してくれて。
本当に、ホッとした。
琉依と一緒に打っていて、「バックハンドやろー」そう言った時だった。
1多のドアがそっと開けられた。
皆が一斉にそちらを向いた。
そこにいたのは、綺麗な髪が印象的な女の子だった。
「・・・あ、すみません。
あの、赤堀君いますか・・・?」

