「そっか・・・、色々あったね。
取り敢えず、お疲れ様。
頑張ったね。
それと、気付けなくてゴメンね。
片倉先輩のこととか、悩んでることとか・・・」
「ううん、隠してたのはこっちだし」
窓から入ってきた風が、琉依の髪を揺らした。
その時、同時に琉依の瞳がフッと揺れた。
「琉依?」
「ん、何?」
「何か、話したいことあるの?」
私が尋ねると、琉依は目を見開いた。
「何で、ばれるのかなぁ・・・。
私、そんなに分かりやすい?」
首を横に振る。
「いや、どっちかっていうと分かりにくいほうだと思う。
でも、何でか、琉依のだけは分かるんだよね」
琉依は私の返事を聞くと、一瞬、目を伏せた。