「ぁ・・・っ!」
大島君は、私を壁に押し付けた。
縮まる距離。
大島君の顔がすぐ近くにある。
心臓が、うるさい。
大島君の熱い吐息が耳にかかる。
零れそうになる声。
「っ・・・!」
何だか分からないけど、瞬間、膝の力がガクンと抜けた。
「わ・・・っ・・・」
倒れそうになる私を、大島君の腕が支えてくれた。
思っていたよりも、力強くて、しっかりした腕にまた、心臓が跳ねる。
男子の身体って・・・、こんなにしっかりしてるんだっけ・・・?
大島君が、ゆっくりと耳元に唇を寄せた。
「『好きな子』相手なら、誰だって緊張するだろ」
「・・・っ!!」
少し掠れた声が、直接耳に入る。
甘い痺れが全身に走った。

