・・・そう言えば、前、俺が灯先輩達と話してるときに、宮間が傍を通ったことがあった。 あの時、俺は―・・・。 「成君・・・?」 「・・・っあ、すみません。 ちょっと・・・考え事してました」 そう言うと灯先輩は僅かに眉を顰めた。 「・・・それより、どうしたんですか? こんな寒いのに。 誰かに、用事ですか? ・・・だったら、俺、呼んで――」 「成君」 呼んできます、そう言おうとした声は灯先輩自身の声に遮られた。 「成君に、話が、あるの」 真っ赤な顔をした灯先輩の声に。