大島君は気付いてる。

私が吐いた嘘に。


でも、大島君は分かってくれてる。



「・・・ありがと。

本当に困ったら、言うから」


「・・・あぁ。

いつでも、待ってる。

・・・でも、無理、するなよ」


「うん・・・」



お節介と優しさの違い。


その人が優しさや助けを欲していない時に、優しさや助けを押し付けるのはただ単にお節介。



大島君は、それを分かってるんだ。


今、私は助けを求めていないから。



だから、大島君は――・・・。



『守る』とか『助ける』なんて、言わない。



でも、その瞳は優しくて。

それだけで、もう充分だって思った。