「・・・だいたいさ、不公平だよな」
俺の呟きに、悠也は眉を顰めた。
「・・・らしくないじゃん。
どうしたんだよ?」
「だって、大島先輩はアイツと同じ学年で、
修学旅行とかだって一緒に行けて。
俺が知らない、1年生のときの宮間だって知ってて。
・・・『年齢』っていう差は、絶対に変えられないのに」
俺が吐き捨てると、悠也は小さく溜め息をついた。
「・・・確かに。
俺だって、そう思うよ。
・・・好きだからこそ、どうしようもない差を埋めたくなる。
・・・増して、俺たちのほうが年下だし・・・。
けど・・・俺が好きなのは、平林先輩。
それは、変わらない。
それにさ・・・俺たちは、平林先輩と宮間先輩の同級生にはなれないけど・・・大島先輩だって、宮間先輩の後輩にはなれないんだし」
悠也は一言一言を噛み締めるようにゆっくりと話した。
まるで、自分に言い聞かせるように。
でも、やっぱり分かってしまった。
平林先輩が好きなんだなって。

