強い口調で吐き捨てていても。 いつもより乱暴でも。 手首を掴む手は、温かくて。 私の手首を気遣うように、優しく、そっと掴むんだ。 手首を引く力だって。 力強くはあるけれど、『痛い』なんて思わない。 ・・・大島君の温かさに、心がキュッとなった。 1多の外のベンチに座った。 「・・・大丈夫?」 いつもより不安げに控えめに尋ねる声。 普段の私なら、嘘をついてでも『大丈夫』って答えてた。 でも、今の気持ちをぶつけても、大島君なら受け止めてくれるような気がしたんだ。