泣きたくない。 ・・・けれど、目に浮かんだ涙を消し去ることは出来なくて。 俯いて、唇を噛んだまま、ギュッと眼を瞑った。 ゴメンナサイ。 ・・・ゴメンナサイ。 『ごめんなさい』・・・っ!! 耐えられなくて、涙の雫が落ちる直前だった。 あの人の声が、顧問の声を遮ったのは。 「先生。 宮間だって・・・分かってます。 ・・・今は、昨日見つけた課題を直すべきじゃないですか・・・? だから・・・っ」 私は、その声を聞いた瞬間、弾かれたように顔を上げた。