後輩男子に惚れちゃいました。



「だからー・・・っ」


苛ついた顧問の声で、ふと我に返った。


周りを小さく見渡すと、皆心なしか、俯いて話を聞いていた。



・・・分かるよ、その気持ち。

顔をあげたくない、って気持ち。



昨日、散々怒られた。


「お前はこんなものなのか」

「何で、自分から攻めないんだ」

「仲間がお前までつないだボールの重さが分からないのか」


他にも色々言われたけど、泣いていたからほとんど聞いていなかった。


いや、聞きたくなかったんだ。




あの試合を、思い出すことすら怖いから。




「宮間!」



名前を呼ばれて、顔を上げた。