「強気だぞ!」 顧問の怒鳴り声が耳に入る。 そうだよ、勝たなきゃ。 勝たなきゃ、いけない。 でも・・・嫌だ、怖い。 出来ない―――。 気付いたら、試合が終わっていた。 終わった瞬間、『悔しい』という想いの前に、涙が溢れた。 もう反射的に。 謝らなきゃ。皆に。 そう思っても、声が出なくて。 顔にタオルを押し付け、泣くことしか出来なかった。 そして、私は・・・大会が終わり、次の日になったにも関わらず・・・卓球が怖いという思いは拭いきれてはいないんだ。