赤堀の声をもシャットアウトして、歩き続けた。
気づくと、いつもよりも速まる歩調。
赤堀達の姿が見えなくなり、声も完全に聞こえなくなった時、私はやっと顔をあげた。
「・・・卯月・・・」
琉依はそれ以上何も言わなかった。
でも、きっと琉依は気付いている。
私の心の痛みに。
・・・何で・・・?
何で、こんなに苦しいの?
赤堀のことで・・・どうしてこんなに悩むの?
もう、考えることすら疲れてしまった。
「・・・もう、いいや」
考える必要なんて無い。
私は、私の心が感じるままに動けばいい。
そう決めたんだ。
理科室の机に突っ伏して、私はゆっくりと瞳を閉じた。

